フカセ釣りの釣り方ではウキを浮かせて行う釣り方と、ウキを海中に沈めて行う釣り方「沈め釣り」があります。
そして、それぞれの釣り方の中には、ウキ止めを付けて仕掛けの投入がウキ止め部分で止まる「半誘導」と、ウキ止めを付けず仕掛け上層から底までスルスル探る全層を探る「全誘導」があります。
「沈め釣り」と言われている釣り方は一般的に、「沈むウキを使った」「全誘導」での釣り方を言われていることが多いです。
ウキなのに沈む??
不思議な感じだけど、海水中でゆっくりフワフワ沈んでいくイメージです。
どういうことか?この記事が参考になれば嬉しいです!
この記事では、沈め釣りで使用するマイナス浮力のウキと沈め釣りの概要についてご紹介します。
この記事で分かる事
- 沈め釣りとは?沈め釣りの概要
- 沈むウキの浮力表示
- 沈むウキの水中での状態
- 沈め釣りのメリット・デメリット
では、早速見ていきましょう!
ウキを浮かせるか、沈めるか・沈め釣りの概要
記事冒頭での記載の通り、フカセ釣りにはウキを浮かせて行う釣り方と、ウキを海中に沈めて行う釣り方「沈め釣り」があります。
フカセ釣りカテゴリ分け
A:ウキを浮かせた釣り
ウキを浮かせた釣りは、ウキが海中に沈むことでアタリを取ります。
半誘導
- ウキ止めを使い、仕掛けがウキ止めのところで止まる。
- ウキの浮力と仕掛けの重さを釣り合わせ、アタリがあるとウキが沈む。
全誘導
- ウキ止めを使わず、仕掛けをスルスル入れていく。
- ウキを浮かせたまま表層から全層を探る。
B:ウキを沈めた釣り
ウキを沈ませた沈め釣りでは、ラインの張りや穂先でアタリを取ります。
半誘導沈め釣り
- ウキ止めを使い、ウキの浮力より重いガン玉・仕掛けを使う。
- 仕掛けがウキ止めのところまで入ると、ウキがゆっくり沈み始める。
全誘導沈め釣り
- ウキ止めを使わず、かつ仕掛け投入と同時にウキを沈める。
- マイナス浮力のウキを使う。(00号、000号など)
(※ウキが沈み過ぎる場合は0号、G2等の微浮力のウキを使う場合あり。)
半誘導・全誘導の仕掛けの基本についての記事はコチラ↓↓↓
一般的に「沈め釣り」とは上記B-②の全誘導沈め釣りのことを言われることが多いです。
私が一番よく行うフカセ釣りが全誘導沈め釣りです。
沈むウキ(マイナス浮力)の浮力表示
マイナス浮力のウキの浮力表示は、ウキのメーカーによって様々です。
沈下速度もまちまちです。
これは使ってみないことには分かりません。
共通していることは、ウキ自身の重さで沈んでいくことです。(マイナス浮力)
以下の各メーカーの浮力表記は沈下速度の目安として記載されています。
各メーカーの浮力表示
- キザクラ:00号、000号
- ガルツ:沈め
- 釣研(プログレスチヌ):S、M、F
例えば、キザクラについては、00号より000号の方が沈下速度が速いです。
釣研(プログレスチヌ)については、S(スロー)、M(ミディアム)、F(ファースト)の順に沈下速度が速くなります。
また、キザクラの00号と釣研(プログレスチヌ)S(スロー)の沈下速度は異なります。
以上のように、マイナス浮力のウキの浮力表記と沈下速度は、0号以上のウキの浮力表示(G2、B、3Bなど)のような基準がありません。
0号以上の浮力表示の基準・詳細はコチラへ↓↓↓
その為、その日の潮の速さや、仕掛けの投入場所(手前か、遠投か)、マキエの沈下速度に応じてウキを選択をします。
底に向かう潮に乗って思ったよりも早いスピードで沈んでいってしまうことも有れば、潮流で横に流される道糸の浮力や抵抗が加わり逆になかなか沈まなかったり、浮いてきてしまうときもあります。
こういった仕掛けの選択の試行錯誤が、フカセ釣りの難しさであり面白さでもあります。
マイナス浮力のウキの水中での状態
ウキが沈んでいくと、最終的にはウキが底に着いてしまうのでは??
そう思いがちだけど、、、
実際にウキが着底することは殆ど無いです。
どういうことか?以下で解説します。
まず、仕掛けを投入するとエサが付いている針が先に沈んでいきます。
この時(針・仕掛けが沈むスピード)>(ウキが沈むスピード)です。
そしてガン玉を付けた仕掛けの重さが加わると(針・仕掛けが沈むスピード)≒(ウキが沈むスピード)となって、ウキと仕掛けが沈むスピードが加速します。
このまま海底まで沈んでいくかというと、必ずしもそうなりません。
ここで出てくる要素が「潮流」、「風」、「道糸の抵抗」です。
仕掛けとウキが沈んでいくと潮流の影響を受け、また道糸も海面の風、道糸自体の浮力が加わり沈み具合にブレーキがかかります。
イメージとしては、潮流の力が横から加わると下向きの重力の力が少なくなります。
また、フカセ釣りで使う道糸としてよく用いられるのが「サスペンド」タイプです。
サスペンドの道糸はある一定の深さまで沈むと、それ以上沈まなくなるタイプの道糸です。
これによりある一定の水深から道糸の浮力が加わり、ウキの沈下にブレーキがかかり始めます。
そして最終的には、水中で沈下にブレーキのかかったウキの中を、道糸が「スルスル」と仕掛けの重さが加わり抜けていき、海底まで仕掛けが届くという感じになります。
以上のように、ウキが海底まで沈むのは海底が見えるような浅い釣り場のような、限られた条件の場合になります。
マイナス浮力のウキは自身で沈んでいきます。
ですが、その沈み方は鉛のような沈み方では無いです。
ゆっくり・フワフワと漂いながら沈んでいきます。
沈め釣りのメリット・デメリット
沈め釣りの最大のメリットは、幅広い海の状況に対応出来ることです。
仕掛けごと沈めるので、流れのはやい場所や上層と水中の流れが異なる2枚潮にも対応できます。
その為、タナ(底までの深さ)を計る必要が無く、初めての釣り場にも臨機応変に対応することができます。
海の干満差は刻々と変わるので、タナ取りが不要ということは大きなメリットです。
沈め釣りはマキエと一緒に仕掛けごと沈みながら流れていくので、マキエとの同調時間が長くなり魚が釣れる可能性が高まります。
また、穂先や道糸の張りでアタリを取るので、遠投や逆光でウキが見えなくてもアタリが取れるということも、状況に応じてはメリットとなります。
私は目があまり良くないので、ウキが見えなくてもアタリが取れるのは結構大きなメリットです。
一方、デメリットとしてはウキを浮かせた半誘導仕掛けのように、狙ったタナを攻め続けることが難しく、上層から探っていく釣りになるので手返しが悪くなるという側面があります。
ウキを浮かせた半誘導仕掛けでは魚の釣れるタナを見つけると、効率的に釣りを進めることが出来ます。
ただし、上記の通り海の状況や干満差は刻々と変わるので、その都度ウキ止めの位置を変更してタナを調整していかないといけなくなります。
また、沈め釣りは穂先やラインの張りでアタリを取るため、ラインを張り気味にしておかないと繊細なアタリが取り辛く、かといって張りすぎていると仕掛けが潮に乗らず魚に届けることが出来ません。
このラインを良い塩梅で張り気味に保つラインメンディングに慣れが必要なことが、沈め釣りのデメリットとも言えます。
総じて、ウキを浮かせた釣りよりも、沈め釣りの方がメリットが大きいと感じています。
沈め釣りのメリットとデメリット
メリット
- 幅広い海の状況(潮の干満や風、2枚潮など)に対応できる
- タナを計る必要が無い(全誘導沈め釣りの場合不要/半誘導沈め釣りの場合は必要)
- マキエとの同調時間が長い
- 全層を探れる
- 穂先や道糸の張りでアタリを取るので、遠投や逆光でウキが見えなくてもアタリが取れる
デメリット
- 全層を探るので手返しが悪くなりがち
- ラインメンディング(ラインを良い塩梅に張り気味にする)に慣れが必要
- ラインメンディングが出来ていないと、繊細なアタリが取りづらい
まとめ
この記事では、フカセ釣りで使う沈むウキ・マイナス浮力のウキと、それを使った沈め釣りの簡単な概要についてご紹介しました。
私個人的には、単純に「魚を釣る」という目的だけに焦点を当てると、沈め釣りはウキを浮かせた釣りよりメリットが大きいと思っています。
また、私のように目があまり良くなく、そもそもウキを浮かせた釣りでウキを視認しづらい方は、沈め釣りにメリットを感じると思います。
ただ、ウキを浮かせた釣りで、アタリの時にウキが沈むあのドキドキ感は好きです。
結局、釣りは漁ではなくあくまで趣味の世界で正解は無いので、自分が楽しめる釣り方をするのが一番です!
この記事がフカセ釣り・沈め釣りの参考になれば嬉しいです!
ではでは。
おわり。
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では、くれぐれも安全第一で、ライフジャケットを必ず着用して楽しい釣りライフを!